Jungla de Cemento 南米在住アーティストのブログ

la voz del paraguay〜パラグアイで音楽、アート活動をするTomikoのブログ!Noisy Graphics! Rebel Music!

高校授業; 社会情勢を知ろう 独裁と後悔

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日本では選挙権の年齢が引き下げられ、18歳から投票ができるようになった。

パラグアイではもともと選挙権は18歳からです。。

主権者教育なんてのは今知ったんだけど、今回の参院選を前に、

パラグアイの私が受け持っている高等部の授業で、社会情勢と選挙権というものを軽く紹介してみた。

 

こういうの日本でもやっているんですね。

↓↓↓

www.news-postseven.com

 

まず、最近テレビで見た大きなニュースを生徒たちに聞いてみた。

その日の朝にバングラディシュの人質立てこもり事件があったので、

その速報や、テロについて答える生徒が多かった。

↓↓↓

www.huffingtonpost.jp

 

JICAの職員の方や、ボランティアの方は、パラグアイにもたくさん派遣されているので、生徒たちも想像しやすい内容だったらしい。

 

EUって知ってる?

EUのニュース誰か知ってる人?

あまりピンと来ないようだった。

ここはアメリカ、関係ないよーーーなんて言っている生徒もいた。

 

じゃあ、、、

ヨーロッパ連合をやめますーーー”って言っている国は?

一人の生徒が、イングレソ!と回答。

どうしてやめるの?

さぁ。。。

エコノミーーー?

 

ヨーロッパ連合にいるといいことある?

生徒、ないんじゃない?

 

という訳でまずは”イギリスEU離脱の是非を問う国民投票”についてのお勉強。

概要はWikiでチェックしてください。

↓↓↓

イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票 - Wikipedia

 

難民の移動経路なども紹介し、

その他概要を易しく説明した上で

こんなことも考えてみた。

 

若年層が興味を持たなかった政治。

捨ててしまった一票の重み。

↓↓↓

www.newsweekjapan.jp

 

この選挙も18歳から権利を与えられていた。

 

離脱のデメリットだけでなく、もちろんメリットもあるのかもしれない。

けれど若年層に後悔が残ったことも確かなのです。

 

この先の人生を生きていく若い世代。

そんな世代にとっては、こういった大きな政治的変化というものは切実な問題なのです。

 

さて、日本では7月10日に参議院選が行われます。

そこでの争点はなんでしょうか。

たくさんありますよね。

多くの人が気にかけていることにはやはり”憲法改正”についてであるように思います。

安保法だって、多くの人が良くわからないままに成立してしまった。

 

みんな日本国憲法って知ってる?

?????

じゃぁ法律は? 生徒"ley"

ley を守るのは?
私たち。

憲法を守るのは、

国や政治家、国で働く人。

 

日本は戦争をしますか?

いいえ。

日本は軍隊を持ってますか?

いいえ。

みんな知ってるの?

はい。先生。ヒロシマナガサキ

 

そう、みんな戦争は知っているよね?

第二次世界大戦

今広島や長崎の話をしてくれたよね。

 

はい。オバマ大統領がヒロシマに行った。

そうそれは初めてのことだったね。

 

戦争に負けて日本は

基本的人権を守る国づくりをするようにいわれました。

この憲法に書いてあることは本当に素晴らしいのです。

 

そのなかでもとても有名なのは憲法第9条

日本は戦争しない国。

武器を持たない国。

皆が知ってる内容のことが書いてあります。

 

今、日本の国はそれを変えようとしています。

 

ええええええ???

なんで????

まじでいや!!!

意味が分からない!!!

 

そんな声が聞こえてきました。

そうだよね。

それが率直な意見だよねー。

 

先生もね。

日本人です!

ってなんで胸張って言えるかっていうと、、、

うちの国は戦争しないんだ!!

平和で優しい国なんだ!って信じていたところがあってね、

こうやって外国で胸を張っていられたんだよ。

日本の大好きなところだったんだよね。

 

でもね、

今は制度が変わって、”必要”なときに。。。
他の国とともに、武力で問題を平和的に。。。解決する方法を選べるようになった。

 

できるだけ中立の観点で伝えたいんだけど。。。

 

そして次は憲法改正の議論。

ということで、報道ステーションのこんな動画を見ました。

 

 

 

みんな、ヒトラーについてはもちろん知っています。

そこで、この動画を社会情勢の学習材料にしてみました。

 

そしてこの比較内容を、考えてみました。

日本にヒトラーのようなクレイジーな独裁者がいるとは思えない。。。

としても。。。

可能性として同じようなことができるような内容に変わってしまいそうな状況がある。

印象的な言葉をとりあげました。

 

市民たちが言った。。

知らなかったんだ。。。

 

収容者たちは叫んだ。

いいや。あなたたちは知っていた。

 

イギリスの国民投票

知らなかったと後悔している若者たち。

しかし、時がたち、いざ何かがあったとき。。

こんな言葉が返ってくるでしょう。

いいや、、あなたたちは知っていた。

難民問題だってそうだよね?

 

日本の憲法改正や安保法に関すること

しらなかった。

いえ。多くの人がまだその危険性を知らない。

けれどいざ、ナチスドイツのような過ちが繰り返されたとき、

人々はこう言うでしょう。。。

いいや、あなたたちは知っていた。と。。

 

無関心だったことが、のちに取返しもつかないことを招くことがある。

どの選択が正しいかじゃなく。

知ろうとしなかった、目をそむけた結果が、どこかの誰かの首を絞める。

 

だから社会に関心を持たなくちゃだめなんだ。

パラグアイで?関係ないよ。

ここはパラグアイだよ?

そう言う生徒もいた。

 

ではパラグアイIAEA国際原子力機構に加盟したニュースはどうだろう。

みんな知っていた?

誰も知らなかったよね。

いつかそれでパラグアイ原子爆弾を持ったとしたらどうする?

今の時点で現実的ではないけれど。。

それを使用した。

知らなかったんだ。。

爆弾を落とされたところの人達はいうよね。

いいえ、あなたたちは知っていた。

 

 

 

これが社会と個人の関係だ。

まったく関係ない世界の話に見えても、

いざ何かあったとき、傷を負うのは個人レベルなんだよ。

 

ナチスの話をしていると、

パラグアイには独裁政権があった。

と生徒たちが言い始めた。

 

ストロスナー大統領という人がいる。
35年にわたり支配してきたという。

 

wikiはこちら。↓↓

アルフレド・ストロエスネル - Wikipedia

 

そういえばドイツ戦犯がパラグアイでどーのなどの話をよく聞いていたが、

この大統領の政権下のことだったらしい。

インディオの虐殺など人権侵害、共産党の非合法化、革命団体の禁止と、新聞の自由化の制限。。。

水力発電も彼の功績らしいが。。その事情も賛否があるらしい。

以上の理由から治安はよく経済は発展したと評価されることもあるらしい。

 

けれど、実際は、夜の外出を禁止。

外出すると逮捕されるような自由のない社会だったらしい。

 

1989年クーデターにより失脚亡命とのこと。

 

 

パラグアイの失われた35年 ↓↓↓

今では公用語として必須のグアラニ語だけど昔は話してはいけないとも言われていたらしい。

それはこういう事情だったんだね。

 

また誰も教えてくれなかったパラグアイという国について

高校生たちに教わった。

 

なんでこんなにこの国には文化たるものがないのかと

首をかしげていた理由がようやくわかった。

 

奪われていたんだ。。

それなのに未だ無関心な人が多い。

差別主義を引きずる人が多いこともそういう背景にある。

 

 

グアラニ族の音楽がかなりの私好みです。

↓↓↓


Nande Reko Arandu: Memoria Viva Guarani

 

ちょっと参院選についても書きたかったんだけど、長くなりすぎちゃったから、

次回に。。

 

今回はスペイン語はなしです。

すみません。

 

 

続く

 

xx

 

Ardi

 

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