Jungla de Cemento 南米在住アーティストのブログ

la voz del paraguay〜パラグアイで音楽、アート活動をするTomikoのブログ!Noisy Graphics! Rebel Music!

パラグアイ:コロナウィルス対策の現状 政府与党コロラド党本部燃える

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Hola!

Que tal?

Tomikoです。

私の住んでいるパラグアイの首都アスンシオンが混乱しています。

今週木曜、16日から外出禁止時間が8時になりました。

与党本部が燃え、騎馬隊や放水車が街を走り、

病院では薬とベッドがありません。

 そもそもは16億ドルの対策資金があり、(1600億円相当です)

7ヶ月の外出制限、その後も多くの制限、
この期間に政府が医療体制を整えると思っていた国民ですが、

不正、横領、賄賂で対策資金はどこへやら。。


医療用具やワクチンの寄付を受けているにもかかわらず

買ったワクチンは4000回分のみ

病院にベッドは足りず、薬局では治療に必要な薬が買えません。

それを準備するために3月、死者3人の時点で私たちはロックダウンされたのでは?

そして1年普通の生活ができず、ほぼうちの中で暮らしたのでは?

新しく病室を作り、ベッドを増やすため・・。

私はそう理解していましたが。。

なぜこんな事態に?

まず、ビデオを見てください。

5分程度です。日本語字幕をつけました。

私たちが置かれている状況について知るために、
最後まで見ていただけるとありいがたいです。

 

 

まず、何が起こっているのか、

これまでの出来事は

前回記事からチェックしてください。

 

arditomiko.hatenablog.com

 

この後も市民による訴えは1週間以上続き

野党は大統領と副大統領を政治裁判にかける告訴状を議会に提出しました。

しかし、反対多数で却下。

その直後。デモ隊の排除が行われました。

 

ビデオはその日の様子です。

この日の外出禁止は夜の12時から

しかし、警察は夜の8時に仕事帰りの人、

翌日から外出制限が8時になるため、

街に出てきた人全てを巻き込み排除を始めました。

 

これまでに聞いたことのないような音が街に響いていました。

 

 

この映像から会社勤めの人たちが逃げているのがわかると思います。

これは私の家の2ブロック先の通りです。

ビデオでも言っていましたが、私は卵と牛乳を買いに行きたいと思ってました。

でもあまりの物音に外に出れませんでした。

 

 

 こうして、8時に警官隊が街に出動しました。

放水車が出動し市民は排除されました。

そして我が家の角に警官隊は集結。

小さな子供(おそらくストリートチルドレン)の声もしていました。

これまでのデモでも子供たちが警察に石を投げていたと言います。

 

その子たちがCaballeroと叫んでいるように聞こえました。

 おそらくうちの家の前あたりに逃げてきたんだと思います。

 

先々週のデモでうちの前の家のガラスが破られました。

我が家はこの騒動の真ん中にあります。

 

しばらくして、騒音は少し遠くになりました。

インターネットで検索してみると

我が家から500m先の現政権コロラド党本部に火がついていました。

数十人のデモ隊の一部が扉を破り放火しました。

パラグアイでは抗議対象を燃やすことは珍しくありません。

地方のコロラド支部もそのすぐ後、燃えました。

 

あれだけ人々を追い回し、普段の生活がある街中で市民を脅し、

この数日抗議対象になっていた党本部の警備を怠るとは

どういうことでしょう?

普通なら警察責任が問われます。

 

 

 

しかし、それどころか、コロラド党の警備員は市民に向け実弾のライフルを発砲。

幸い怪我はなかったようですが、この警備員は罪に問われていません。

20名以上の若者、(未成年者もいます。)が放火の容疑で逮捕。

そのうちの一人でしょうか。。

手錠をかけられた男性は、うちの家のワンブロック先の通りを騎馬隊に追い回され、

我が家の角で警察に引き渡されました。

 

 

 これは人権侵害ではありませんか?

逮捕者への拷問ではありませんか?
2021年ですよ。。

騎馬隊を出動させる意味もわからないし、

公道をこんな見せ物のようなことに使用して、

何をしているんですか?

何度も言いますが、これは公道、

普段の生活がある街中で起こっています。

ラクションの音、ブレーキ音、エンジン音もたくさん聞こえてきました。

街には普通の暮らしがあります。

一般車両が角で急ブレーキ、方向転換する。
しばらくすると、放水車がそこにやってくる。

というような映像も流れています。

仕事をしている人、仕事帰りの人もいるんです。

子供がCaballero(カバジェロ)と叫んでいるように聞こえたのは、

このカバジェリアのことだったようです。

 

この騎馬隊はコロラディスモと呼ばれるものの象徴です。

現政権は独裁者ストロエスネルの政権です。

54年から89年まで続いた独裁後も数年を除き

パラグアイで政権を握っているのはコロラド党です。

当時ヒトラーを参考にした政治を行なっていました。

先進国はコロラド党に対し協力的です。

現に今もアメリカは初めのデモを受け、現大統領に支持を表明しています。

この告訴状の発表前にアメリカの担当者は政府官邸を訪れ会談もしました。

冷戦下において、ストロエスネルの独裁政権のインフラをサポートしたのは

アメリカ、ドイツ、そして日本です。

そういう背景もあってか、こう言った国ではパラグアイの政治独裁について、

インフラの向上と治安維持の促進と評価をしています。

でも実際この国で行われてきたことは、、

先住民族の虐殺(現在も立退をめぐり、先住民族の家が放火されたり、暴行を受けたりしています)、言論統制、反政府主義者への拷問、夜間の外出禁止、貧富格差こういうものの上に成り立った治安であるということです。

要は人々を押さえつけ、コントロールし、恐怖を与え政治を行なっていた。

その象徴の一つが騎馬隊でした。

 

 現大統領の父親は独裁者ストロエスネルの秘書官であり、前回も言いましたが、そのことに関して国民に謝罪をすることもなく、当選後父親の墓参りに公的に訪れています。Marito de la Gente、庶民のマリートと言って当選したと前回も説明しました。

私にはこれがナチ党のやり方に見えてしまいます。。

ちなみに政治犯の拷問、収容施設は独裁記念館となっていますが、そこのガイドさんに、なぜこの記憶がありながら、あなた方はコロラド党を選ぶのですか?と聞いたら逃げられました。私はパラグアイで、よくこの質問をします。

他に選ぶ人がいないから、野党政権になった時、よくなかったから。

そういう理由が帰ってくることが多いです。

 

パラグアイの病院。 息子が手術受けたのも私が入院したのもこの病院です。 私が今体調を崩して行くのもこの病院。

Tomiko Takinoさんの投稿 2021年3月21日日曜日

 

 ここにも書きましたが、私が手足口病で入院して、息子が骨折の外科手術を受けた病院はこういう状態になっています。

 ⇩⇩⇩

arditomiko.hatenablog.com

 

もちろん私が、今調子が悪くなったとしたら、

医療を受けられる病院はここくらいです。

保険にも加入していない、私立病院の医療費なんて支払えないのです。

 

息子の入院の時に購入した医療品が盗まれたと書いていますが、

ここの病院は薬屋医療器具を患者が薬局で買って持参しなければいけません。

私のように独り身でと、誰も手伝ってくれる人がいない場合は、自分で買いに行かなきゃいけなくなるんですが。。

その薬が薬局で手に入らないんです。。

治療を受けられない。。

 

 

 この国の政府は本当に何もしないので、、、

市民は助け合うことが当たり前なんです。

政府の対策はなくても、こうしてソファーが寄付されます。

ってか、ソファーって。。。

病人がソファー。。。

でも、こんな政府だから、市民たちはコミュニティを作って

クラウドファンディングなんてなくても

自分たちでこれまでやってきたんです。

 

雨が降れば道は川になります。

停電も断水も日常茶飯事です。

道には切れた電線が垂れ下がっています。

危険だらけで一切守られていない。

国民のほとんどが健康保険にも加入していない。

警察は仕事をしない。

事件があっても自己責任。

お金を渡したら、口利きしてくれます。

そんな世界で生きてきたんです。

70年も奪われ続けてきたんです。

 

こんな時に文化を守れ。保障しろ。

そういう考え方すら、与えられていないんです。

 

ようやく、芸術家団体が

芸術家への補償を求め始めました。

1年ロックダウンされた後で。。。

 

権利を奪われているんです。

 

日本からは想像できないかもしれないけど、、、

 

1年ぶりに再開して、1週間ほどだけですが通学できましたが、

一部の学校では生徒が屋外で勉強させられています。

信じられますか?

 

これがパラグアイの現状です。

日本だって大変なんだ。

ってみんなおっしゃるけど、

全く違うんです。比べてはいけないんです。

 

私たちは既に1年行動を制限されています。

700万人程度の人口で、一日2500人が感染しています。

埼玉県と同じくらいと聞いたけど、埼玉県で一日2500人の感染者が出たらどうですか?

人口もGDPも桁違いなのを知っていますか?

何一つ比べられないんです。この国と日本は。。。

 

そんな議論をしたいんじゃない。

意味がなさすぎるから。。

この国はニュースには上がらない。

自民党本部が燃えたらどうですか?

世界の小さなニュースにはなりますよね?

この国は違う。

比べようもない。

パラグアイだから仕方ない。

国民も南米人も世界中もみんな臭いものに蓋をしてるんです。

ゆるさがあるから、都合がいいんですよ。

麻薬の生産流通や非正規事業、、、都合がいいんです。

 

だからってこの国の普通の市民が踏みつけられていいんですか?

私は伝えたいと思った理由です。

 

去年からものすごい不安の中で生きています。

Fuera Fasistaだってその不安の中で生まれた曲です。

これまでずっとSNSで訴えてきました。

 

なぜ他の日系在住者が何も言わないか?

だって、そういうお金持ちには関係ないことだからです。

言いましたよね?GDPがどれだけ違うと思いますか?

普通の日本人がこの国で暮らすのは難しくありません。

私は仕送りも、家族も、貯金もなしで、

一人で子供を育て、ここで得た給料だけで生活をしています。

コロナになったら私立病院の医療は受けられません。

そしてこの騒動のど真ん中の街に暮らしています。

家にまで生々しい音が聞こえてきます。

わかりやすい投稿を貼り付けておきます。

 

 

これが

パラグアイの人の間でよくいわれていること。

いろんな人がいろんなバージョンでシェアしてます。

金持ちへのコロナ医療と、一般人へのコロナ医療の違いです。

患者が誰かで医療が変わるのです。 

 

パラグアイが購入したワクチンは国民の0.1%分ですよ。

チリが20万回分を寄付してくれましたが、、

どれだけ選ばれた人のみの政治が行われているか

それだけでも理解できるのではないでしょうか?

 

どこの国も大変。

けれど私の暮らしている国はこういう状況です。

伝えるべきことが多くあると思います。

私は日本に生まれ育ち、少なからず日本のことをよく知っています。

今どれだけ悪くなっているか、想像以上だとしても。。

少なからずCDショップがあり、雑誌や、ファッション、

雑貨など、色とりどりで、多様性のある文化に満ちていることも知っています。

ここでは文化は権利ではなく贅沢です。

みんな同じものしか買えません。

家具も、雑貨も、同じメーカー同じ形、

インターネットがここ数年で普及しましたが、

CDが売っている場所なんてほぼなく、本屋が増えてきたけど

選ぶことすらできません。

医療も教育も選ばれた人ものもです。
パンとパスタだけは安く提供されます。

どうか耳を塞がないでください。

 

70年奪われてきた人たちが、声をあげる難しさを理解して、

どうか外からこの政権を監視してください。

 

土曜日、呼びかけられたデモには外出制限も伴って

全く人が集まりませんでした。

鎮圧されたようにも思います。

私は前回ブログで通常ならすぐに沈静化させられると書きました。

今がその感じです。

デモのせいで感染が広がった。

若者の暴徒化などネガキャンを続けています。

けれど実際は、政府の失策が現状を導いてきたのです。

 

明日か明後日、農村部の人たちが市内へ抗議に来るとのことです。

アーティストたちの抗議活動も始まります。

この先どういう状況が訪れるのか、

まだ全く予想ができません。

 

 

 

xx

 

tomiko