Jungla de Cemento 南米在住アーティストのブログ

la voz del paraguay〜パラグアイで音楽、アート活動をするTomikoのブログ!Noisy Graphics! Rebel Music!

パラグアイのリハーサル・スタジオ事情

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こいつかわいい。

名前はパコ。

ここはお友達のSoleとMarceloの家。

 

一年半ほど前、

カラオケシンガーの仕事に飽き飽きしてた私。

近所の飲み友達が連れて来てくれたのがここ。

 

 

私はここが一瞬で気に入ったの。

この人達ならまともに付き合えると思った。

日本でも深く付き合える人は限られている。

ただ多くの時間をかけて、多くのものを生んできたから

周りにそういう人がたくさん集まっていただけで。。。

今思うと凄く私の人生というものは恵まれていたと思う。

多くの連鎖によって、本当に居心地の良い、

人の輪に支えてもらっていた。

勿論辛いことも、苦しいこともあったけれど、

胸を張って言えるのは、大好きな人達に囲まれていたということ。

それは自分が信じたものをひたすら追い求めた結果

舞い降りた何よりも幸せな環境だったと思う。

 

そう、普段の暮らしの中で

話せる大切な友人に出会えるかというと皆無に近い。

小さなアクションの積み重ねでぶつかりあい、

長い時間をかけて化学反応を起こしていくものである。

 

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パラグアイはもっとオープンな世界で、

別の意味ではもっと閉ざされた世界でもある。

日本にいるときよりオープンにならなきゃいけないくせに

凄く閉ざされている。。。難しい。

 

基本的に日常会話を楽しんだり、馴れ合いを好んだりしない私には

とにかく不向きな環境である。

ライブハウスなどでは、表向き全く中身のない

オー・イエー・テンションでいる人なので、

それだけでいいけど、

スイッチが入っていない時は

本当につまらない、、口数の少ない人間なのです。

 

だから、いつもヒキツリ笑いマックスですみません。

 

ともあれ、

この人達には出会ってすぐに安心し、よく絡むようになった。

パラグアイで一番の居場所かもしれない。 

 

 

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バンドがしたいねなんて、言っていたけれど

余裕もなく、、、先延ばし先延ばしで。。。

そうこうしているうちにmarceloは自宅にスタジオを作りました。

パラグアイには日本のように簡単に利用できるリハーサルスタジオもなければ、

十分な機材もありません。

ここでバンドをするのは簡単なことではありません。

車を持っていなければ機材は運べないし、、、

私はかろうじて音楽活動をやっているけど、

酷いときはギター、マイクスタンド、譜面台、アンプなど

担いで子供を連れてバスに乗ります。

 

弾き語りに必要な最低限の機材だけは

何とか揃えた。

けれど、それでやっとなんです。。

 

音楽活動をすることの難しさを身に染みて感じています。

お金がなければ音楽はできません。

一緒に仕事をしてきたパラグアイのミュージシャン達は

妥協をしながら、自分のスタイルを作り上げていました。

だから私も若干の妥協には耐え、それでもより良い方法を

常に探っていると言えます。

 

先日別の友達にアニメフェスに連れて行ってもらったばっかりだけど、、、

marcelo達のバンド、Hija de mil(イハデミル)が

そんなアニメイベントに出場するとのことで、

アニメカバーを歌わないかと誘いを受けました。

 

アニメ。。。。

ぎゃーーーーーー。

アニメとメタルは私の苦手2トップ!

どうしよう。。。

けれど、実際周りを見渡してみると

アニメ好きな人が多い。

生徒や友人、みんなはどう思うだろう。

喜んでくれるだろう。。。

一晩悩んだ結果、、、

引き受けることにしました。

 

ステージがあるのなら、

断る理由なんてないはずです。

 

私はどんな歌でも歌うでしょう。

喜んでくれる人が一人でもいるのなら。

 

自分のスタイルなんてもんは

あるようでないも同然です。

なんでも自分で消化すれば

自分のものになるはずです。

 

そんなこんなで練習に参加するようになった。

 

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練習終わりに皆でピザ!

パイナップルピザやんーーーーー!

私の大好物ーーーーーー!

 

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練習前に立ち寄った古本市にて

刷り上がったばかりの本を売っていたこのお方。

パラパラ――――っと中をのぞいてみると、

悪くない感じ。

聞くとギンズバーグが大好きと。。。

やっぱりきた。風貌も?!こら!

私もギンズバーグが大好きなんだ。

私はスペイン語が苦手。

だから理解はできないかもしれない。

けれど、私はこの本を買いたい。

という訳で、私が世界で初めてこの本を買った人間となったのだ。

 

不思議なんだけど、好きなものに共通点がある人

というのはそれだけで能力を図ることはできなくとも

なんとなく通じるものがある。

私はその感覚を信頼している。

特にこのパラグアイで、ビートニクの詩人を尊敬するというのは

よっぽどの変わり者だと思う。

よっぽど好きでないとその道には導かれないはずだ。

 

正直どこの国の人でもこれまでは簡単に打ち解けることができた。

芸術バカなので、懐にあるありとあらゆる作品が

多くを繋げてくれた。

けれどパラグアイは違う。

懐にあるものがまるで違う。

メタルとアニメを排除している私には

共感点が一切ないのである。

だから凄く、ストレスを感じることが多い。

こんな一期一会に、凄く嬉しくなった。

 

ギンズバーグという固有名詞を発したのは何年ぶりだろう。

私はどうしてもこの本を買いたかった。

作品にお金を支払わないこの国で。

活動を続けることは大変だと思う。

ほんの少しでもサポートしたい。

 

 

素晴らしい文化がこの国に広がるよう願って。

 

さて次回はトミコさんアニソンを歌うの巻です。

お楽しみに!

 

xx

 

tomiko

 

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