ロウリーのプロテスト
日本語記事がなかったのでブログにまとめてみようと思います。
Dolce & Gabbana ミラノ 2018Spring&Summerコレクションでの出来事
ミュージシャンのRaury/ロウリーはモデルとしてこのショーに出演することとなりました。
ミラノに着いてショーの前日、D&GをGoogle検索してみたところ、D&Gの#boycottコレクションが目に留まったといいます。トランプ夫人の御用達のブランドが、マーケティングの為に行っているキャンペーンが余りにも陳腐に見えたロウリー。
これらのキャンペーンが屈辱的であったとGQ紙のインタビューに答えました。
「これは完全なる嘲笑です。(真意に訴える人々への)ボイコットとはなんでしょう?人々の声です。訴える人々の声。力があるのです。変化を起こすための。」
抗議する人々を軽率にとらえ、ブランドのコマーシャルに利用するたちの悪いジョークにしか見えなかったと言います。
このショーへの出演はトランプ米大統領を支持することになってしまう。
しかしながら、私はトランプを支持してはいません。
そこで、彼らのステージ上で抗議をすることを決めました。
ショーのフィナーレにランウェイの真ん中に立ち、上着を脱いで
「D&Gに抗議する」「私は自由になりたい」「あなた方の代弁者ではない」
と体に書いたメッセージを伝えました。
その後、ロウリーは追放処分となり、映像は編集され、
ショーに居合わせた人たちのみが目撃した事実となりました。
ロウリーの抗議に対してD&Gからの声明はまだありません。
しかしながら、同じくこのショーに実の弟が参加した歌手のマイリー・サイラスに対しては激しく反論しています。弟の初めてのランウェイを祝福しながらも、トランプ政権と親密で、同性愛カップルは子供を持つべきではないなどの発言をしてきたことを受け、D&Gの政治的な観点には賛成しないとinstagramにUPしたマイリーに対して、ファッションに政治を持ち込むなんて無知であると反論。マイリーの弟は姉の発言の為にポストを失ったとリプライしました。
そんなやりとりの傍らで、ロウリーは言います。
政治を避け、目を塞ぐことは不可能です。
正直なところ、ファッション、音楽、映画、アート、建設現場作業員、人間、誰しもが政治に関わりながら働いています。
それが人生なんです。
あなたのメッセージがクールであれば、それこそカッコいいのです。
もしそうでなくても、新世代が教えてくれるはずです。
私たちはあきらめないでしょう。
この一件をたまたまWebで見つけて、
私は本当にゾクッとしました。
真摯に自由と良心を願う気持ちからこの行為に至ったと思います。
表現するものとして、伝えることの大切さを
再確認させてもらった気がします。
マーケティングの為の、軽率なボイコットキャンペーン。
逆を返せば、保守の世界的ブランドが便乗したいと思うほど、
一般の人々の重なる声は、鋭く今を象徴しているように思います。
もうマイノリティじゃないということです。
世界は一向に良くならないとしても、
ケータイ電話なんて虚しくも便利な機器で繋がる
普通の人達のパワーと影響力、その熱気は
ロウリーの言うクールそのものなんだと
ボイコットキャンペーンを通じてD&Gは証明したということになります。
200ドル以上でボイコットTeeシャツを売って
メッセージのない借りてきたスローガンのダサさに気付かなければ
ファッションに政治を持ち込むななんて逆ギレする
一世代前のデザイナーが哀れに見えてしまいました。
xx
Ardi
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